三幕構成の第一幕は
とにかく設定!!

脚本や物語における
基本的な構造、三幕構成。

その第一幕について、
漫画を題材に 解説しております。
軽いネタバレも含みますので、
ご注意を!

こちらも合わせてお読み下さい!
・第二幕=葛藤


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第一幕:状況設定

第一幕はとにかく設定。
に徹することが重要です。

ファンタジーものとか、
難しそうです。

主人公がどんな奴か、
ドラマの前提、
人間関係などを
設定します。

ここでどんな物語か、
つまりログライン
はっきりしていると
分かりやすそうですね。

今回も漫画で考えてみたいと
思います。

ルフィは海賊になりたいけど
シャンクスにダメと言われている。
ナルトは火影になりたいけど
イルカ先生に額当て貰えない。
ドラゴンボールは
どちらかというと、ブルマに
目的があって、
悟空は受動的なんですよね。
百鬼丸やエドワードエルリック
(以下、エド)は
身体を取り戻す。
という目的が提示されますね。
(余談ですが、元の身体に戻る。
という意味ではコナンくんも同じですね。
カエルになった王子様、
美女と野獣など、
昔から人体の変化と
元に戻る願望というのは
人の心に刺さるのかもしれませんね。
余談でした。)

主人公に何かが足りない場合、
それを取り戻すなど、
目的をしっかりと持たせることが
出来れば
分かりやすい設定となります。

一幕目はとにかく
状況を設定!

何度も書きますが、
一幕目はとにかく状況設定に
集中すべき
で奇をてらう演出は
必要ないとされています。

J.Jエイブラムスの映画とかは
逆にいきなり爆発!からの
え?どんな状況?みたいな
演出とかあるイメージですけどね。
そこも巧みに作りこんでるのかな?

第一幕で特に重要な点は
以下の点だと言われています。

・ストーリーを進める。
・主人公がどんな奴かを提示。
(何を目指して、どんな問題を
抱えているのかということでしょうね)

それ以降に起こる全てを設定する。
ということだそうですが、
これは漫画だとちょっと厳しい気も
しますね。

一幕って、捉え方にも
よりますね。

例えば、100巻の漫画だと
30巻くらいまでが、一幕ということに
なるかもしれませんね。

一話の中で考えると、
最初のページのあたりで、
その一話内に起こる設定を
しっかり見せることで、
後付けだ〜ということに
ならないんでしょうね。

ジャンプコミックスでいえば、
ワンピースやナルトはもちろん、
封神演義も
主人公は太公望で、
方針計画、
妲己を倒す。などなど
状況設定しっかりされていたことを
思い出しました。
(だからこそ、
物語の真相が分かった時に
納得が出来ました。)
余談ですが、
封神演義は23巻で終わっていて、
非常に完成度の高い作品だと
思います。

主人公はどんな奴?
どんな目的がある?
どんな問題がある?

などなど、とにかく
状況を設定すること!
が重要なようですね。


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状況設定見てみましょう!

・主人公はどんなやつ?

どんなやつというのは、
見た目とか口ぐせとか含めて、
ということでしょうね。
何が好きで何が嫌いか。とか。
ナルトの『だってばよ』、ラーメンが好き。
エドは身長のことで怒るとかね。
ルフィは生涯泳げなくなっても、
ゴム人間になった方が嬉しい。とかね。
悟空の野生児っぷりも凄い。
あと、悟空のもアラレちゃんも、
ぶつかった車の方が壊れる
ターミネーターっぷりね。

この部分は物語の
根幹やテーマと
主人公の特徴が上手く
織り成されていると
面白そうですね。

・主人公の置かれている状況は?

悟空:山奥。特に事件性はないけど、
化け物みたいな魚いるし、
天然のトレーニング施設?

ルフィ:のどかな村。憧れの海賊いるけど、
航海には連れてってくれない。
ファンタジーものの
最初の村感がなんだか
ワクワクしますよね。

ナルト:落ちこぼれ扱い。
額当て貰えない。
忍者の里の雰囲気がとてもいいですよね。

エド:身体を失い、賢者の石を探してる。

・主人公の住む世界はどんなとこ?

・悟空は山の中、
人里離れてるから 常識無い。
けど、純粋無垢。

・ケンシロウは世紀末。
資源の枯渇した世界。
物質が無い分、ダークサイドに落ちるか
愛に生きるか浮き彫りになる?

・ルフィは小さなのどかな村。
冒険のスタートにはぴったりな感じ
ですよね。

・ナルトは木の葉の里。
ラシュモア山みたいな
岩があったりとかね。

・ハガレンは
どことなくスチームパンクな
不思議な世界です。
鉄の感じがダークファンタジーの
ハガレンらしさといいますか、
硬さ、厳しさを作品から
感じます。

・主人公には何が出来て、何が出来ない?

実は、出来ないという点が
重要なのではないでしょうか?
明確に何が出来ないかが
提示されればゲームルールがしっかり
分かる気がします。

鬼ごっこは 鬼はタッチ出来るけど
逆は無理。みたいなね。

悟空:めちゃめちゃ強いけど、常識無い。
しっぽが弱点。

ルフィ:ゴムだけど、泳げない。
(ちなみに、これは悪魔の実を食べた者
全ての個性であるため ルフィ特有のものではないですが、泳げなくても明るい。
ということがルフィのキャラクター性を引き立てていますね。)

ナルト:忍者だけど、忍術出来ない。
これが何でもあり感を防いでいるのでしょうか。

エド:錬成陣無しで錬成できる。
しかし、等価交換。という点がポイント。
何でもあり感がこれによって防げる。

・主人公はどんな人間関係に囲まれている?

悟空:山奥、自然。

ルフィ:海賊なんかダメ!とい常識的な人々。マキノさんは理解者。

ナルト:孤独。化け物扱い。

・主人公はどんな目標を持っている?

初期悟空:とくに無い。ブルマについてく。
後期悟空:誰よりも強くなりたい。

ルフィ:海賊王になる。

ナルト:火影になる。

エド:元の身体に戻る。

百鬼丸:元の身体に戻る。

・主人公の目標を阻む人はどんな人?

阻むというのは、
悪意、善意、様々でしょうね。

・悟空、序盤は特にいない。
後半は続々強敵現る。
強くなることが目的であるため、
強敵=目標を阻む存在であり、
倒すことはゴールなので、
凄くシンプルで分かりやすい設定。

倒して地球を救うという
大義名分はありますが、
悟空の個人的な目的と手段は
常に一致している気がしますね。

・ルフィ:シャンクス、村の人 、ヒグマ

・ナルトは 悪い先生もいますが、
イルカ先生が援助者であり、阻む存在でも
ありますね。シャンクスもか。

・暗殺教室はこの援助者であり、
阻む存在であるメンターこそが
主人公である珍しい漫画でした。
教師ものは数あれど、阻む教師が
主人公の漫画はなかなか無いのでは?
余談でした。


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第一幕まとめ

・とにかく状況設定

・主人公はどんなやつ?

・主人公の置かれている状況は?

・主人公の住む世界はどんなとこ?

・主人公には何が出来て、何が出来ない?

・主人公はどんな人間関係に囲まれている?

・主人公はどんな目標を持っている?

・主人公の目標を阻む人はどんな人?

などなど、
とにかく状況設定を意識する。
ということでしょうか。

起承転結の『起』、
四コマの一コマ目なわけですから、
ここを受けての
二幕目というわけですもんね。
ここがしっかり説明されていないと、
真っ直ぐ進むにせよ、
奇をてらうにせよ、
良く分からなくなっちゃう。
ということかもしれません。

ご参考までに!


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参考文献

シド・フィールドさんの
素晴らしい映画を書くために
あなたに必要なワークブック。